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刺股(さすまた)の歴史
刺股(さすまた)は、日本の歴史において主に捕り物(とりもの)に使われた道具で、現在では防犯や警備の用途で活用されています。
刺股の原型は、日本の戦国時代(15世紀~16世紀)にまでさかのぼると言われています。当時は、敵を捕縛するための武器として用いられました。槍のような武器に比べて、殺傷能力を抑えつつ相手を取り押さえることができるため、城内や屋敷内の防衛手段として活用されていました。
江戸時代に入ると、刺股は町奉行所の捕物道具として定着します。当時の治安維持を担っていた「与力(よりき)」や「同心(どうしん)」、そして彼らを補佐する「岡っ引き(おかっぴき)」が使用しました。
この時代の捕り物では、刺股のほかに**「袖搦(そでがらみ)」や「突棒(つくぼう)」**が三道具(捕り物三道具)として知られています。
- 刺股(さすまた):敵の体や武器を押さえつけるために使用
- 袖搦(そでがらみ):袖や衣服に引っ掛けて拘束するための道具
- 突棒(つくぼう):相手を威嚇したり、動きを封じるための棒
この三つを組み合わせて、刀を持った犯人や暴れる人物を捕らえるのが基本でした。特に刺股は、相手に接触せずに安全に取り押さえることができるため、重宝されました。
明治時代(1868年~1912年)に入り、日本の法制度が近代化すると、刺股は警察機関であまり使用されなくなりました。代わりに、西洋式の警棒や銃器が普及し、刺股の役割は薄れていきました。
しかし、完全に廃れたわけではなく、一部の寺社や旧家では伝統的な防犯道具として保管・使用され続けました。
現代では、刺股は防犯・警備用具として再評価され、再び普及しています。特に、学校や公共施設、企業のオフィス、警備会社、駅構内などで、緊急時の護身用具として備えられるようになりました。
また、近年は**「防犯刺股」**として改良が加えられ、以下のような特徴を持つものも登場しています。
- アルミ製や軽量化されたもの(持ち運びやすい)
- 二股部分の改良(相手をより確実に拘束できる)
- 伸縮可能なタイプ(収納しやすい)
学校では、不審者対策として教職員が刺股を使う訓練を行うこともあります。また、警備員や駅員向けの刺股講習も行われるなど、防犯道具としての重要性が増しています。
